高校生の頃・・・
バイクには何の興味も無かった。
早く4輪に乗って、好きな音楽を鳴らしつつ、車中で寝泊りしながら、どこまでもどこまでも時間の許す限り走って行く憧れに、2輪のはいる隙間は無かった。
「明日土曜日夜10時にMK(京都のボーリング場)前に集合すんぞ。」難しい漢字の入った白ツナギが良く似合う先輩達からも良くお誘い頂いていたし、真夏のガレージで黙々と工具を操り、「ヨッシャー!!」と叫ぶと突如レーシングスーツに身を包み、峠へと向かう近所の連れもいた。
でも、やはり、自分の描く青春群像にバイクの姿は無かった。

大学生の頃・・・
同じクラブの四人の同期の内、二人がバイク野郎だった。
一人のRZの後ろには毎日のように乗っていた時期があったが、行き先は4輪の教習所だった。
もう一人は峠野郎だったが・・・全くカッコよくなかったので、後ろから車で追突してやった。(笑)


社会人になって・・・
ある日、お客のバイク屋さんにコピー機の営業に出向いた。
何度も訪れているお得意さんだったが、バイクの話をしたことは無い。
前回まで置いてなかった店先のバイクが目に止まった。
そして、足も止まった。
「SUZUKI  INTRUDER 400」


赤黒ツートンに輝くチョッパースタイルは突然自分の概念に「バイクはかっこいいぞー」とインプットされた。

でも・・・
バイクには乗らなかった。
免許が無かった。
お金も無かった。
駐車場も無かった。
仕事と家庭の幾らかを犠牲にしてまでそれらの問題をクリアーするだけの意欲は、やはり無かった。


山あり谷あり数年が経過・・・そして2002春
「いい天気ね。こんな日はバイクの後ろにでも乗っけてもらってキラキラ輝く春の海が見てみたいなー。」
そよぐカーテン越しに空を眺めながら、ひとしきり伸びをした後、若さ一杯の素敵な笑顔で、(夢の中の)広末涼子が言った。
すぐに教習場の申し込みをした(爆)